提案の背景
はじめに
前回の事業のアイデア出しに引き続きアイデアの提案の背景について記事を書いていこうと思います。
アイデア出しである程度どんなことをするかまとまったら、次に提案の背景をまとめていきます。
そのアイデアを実現する意義を明確にすることで、事業計画書を見る側に熱意や必要性が伝えられます。
この記事はカラー版 マンガでわかる 事業計画書のつくり方
を参考にさせて頂いています。
提案の背景 4パターン
提案の背景としては大きく次の4つのパターンがあります。
- 問題提起
- 既存の問題を提示して、それを改善するための提案
- 社会的使命
- 社会的な問題や課題を提示し、社会貢献に繋がる事業を行うという提案
- 自己表現
- 未来ビジョン
- 今までにない技術やサービスを提示しそれにより新たな価値を社会に提供するという提案
これらの背景を考える際には大きく3つのアプローチがあります。
- 社会背景から考える(PEST分析)
- 自分の課題や現状から考える
- 顧客や競合他社の現状から考える(3C分析)
社会背景から考える
1つ目のアプローチの社会背景から考える方法では、現状の社会環境がどのようになっているか分析し、自分の事業アイデアと結びつくものを見つける方法です。 その分析方法にPEST分析というフレームワークがあります。 PEST分析では、世の中を取り巻く環境を、次の4つに区分して、それぞれの現状と未来を分析・予測していく手法です。
- 政治(Politics)
- 経済(Economy)
- 社会(Society)
- 技術(Technology)
それぞれの項目の現状を分析し、現状からさらに将来どのように変化していくか予測まで行います。
自分の現状から考える
2つ目のアプローチの自分の現状から考えるでは、業績悪化や開発力の低下など事業者がそれぞれ抱える課題を提案の背景とします。 主に次の6つのチェックリストから考えていきます。
- 経営資源
- 従業員の能力、事業用設備など
- 営業構造
- シェア率、取引状況など
- 商品力
- 競争力、企画開発力など
- 収益構造
- 売上高、利益率など
- 過去の成功要因
- 市場状況、商品特性など
- 伸び率(成長性予測)
- 売上の伸び率、人件費の伸び率など
6つのチェックリストを参考に現状の棚卸しをし課題の洗い出しを行います。 洗い出した課題の中から提案の背景を選び、その課題解決のための事業計画であると提案します。
顧客や競合他社の現状から考える
2つ目のアプローチの顧客や競合他社の現状から考えるでは、ニーズの変化や競合が競争力が高まっているケースがあり、それらの身近なビジネス環境から提案の理由動機を考えていく方法です。 このような分析方法として3C分析というフレームワークがあります。 3C分析では、次の3つの点を明らかにしていきます。
- 顧客の特性・ニーズ
- 自分の事業の強みや弱み
- 競合の商品・サービスの強みや弱み
すると商品が顧客のニーズに合うものがないことや競合商品に比べて品質が悪いなどの問題点が出てくるので、 それらを提案の背景とします。
最後に
提案するアイデアの背景がまとまってきたら、次はそのアイデアのコンセプトについて考えて行きます。 次回は事業コンセプトについて書こうと思います。
事業のアイデア出し
はじめに
前回の事業計画書の基本に引き続きアイデアだしについて記事を書いていこうと思います。
この記事はカラー版 マンガでわかる 事業計画書のつくり方
を参考にさせて頂いています。
自己分析を踏まえてアイデアを売り物に
事業化のアイデアは次の手順で絞り込んでいきます。
事業を成功させるにはまず自分の強み弱みを知り、それを最大限活用できることが重要です。
そのために始めに現在のビジネス環境でどんな自分の強み・弱みがあるか分析しましょう。
分析するための手法としてはSWOT分析
があります。
SWOT分析
SWOT分析は、基本的には 強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)
に分けて分析していくフレームワークです。
それぞれの項目について当てはまる要員を書き出していきます。
特に強み(Strength)
は重要になるので他の項目よりを多めに洗い出すようにしましょう。
輸入販売事業を具体例として以下に示します。
- 強み(Strength)
- 海外メーカーとコネクションがある
- 大手小売チェーンとコネクションがある
- 直接交渉できるビジネス英語力がある
- 弱み(Weakness)
- コネクションがある海外メーカーが1社しかない
- 平均客単価が低い
- PRノウハウを持っていない
- 機会(Opportunity)
- SNSを活用して若年層にPRできる
- 市場が拡大している
- オンライン通販の利用率が拡大している
- 脅威(Threat)
- トレンドの移り変わりが激しくすぐに陳腐化する可能性がある
- 競合メーカーが多数あり類似品が増えている
- 高価格商品が売れなくなってきている
これらを洗い出す段階では各項目を把握できれば大丈夫です。 洗い出しが終わったらクロスSWOT分析で、具体的な事業アイデアを考えていきます。
クロスSWOT分析
クロスSWOT分析は、SWOT分析の4つを次の4パターンで組み合わせて行動プランを考えるフレームワークです。 この4つのくみあわせから、それぞれの方向性の異なる戦略を考えていきます。
強み(Strength)
x機会(Opportunity)
-> 積極攻勢戦略弱み(Weakness)
x機会(Opportunity)
-> 弱点補強戦略- 市場の環境を活用して自分の弱みを補強する
強み(Strength)
x脅威(Threat)
-> 差別化戦略- 競合よりも優位に立つための差別化を図る
- サービスの付加価値を高めて競争力を高める
- ターゲットを絞って競争力強化を図る
弱み(Weakness)
x脅威(Threat)
-> 防御戦略- リスクを避けてダメージを最小限にとどめる
- 自社の課題にちゅうりょくして弱みを克服する中長期的な戦略を進める
- 一旦事業を停止して代替ビジネスを模索する
アイデアを出す時のコツ(ブレイン・ストーミング)
クロスSWOT分析だけではなかなかアイディアが出なくて悩むかもしれません。 そこでアイデア出しの方法としてブレイン・ストーミングというフレームワークがあります。 ブレイン・ストーミングはとにかく思いつく限りのアイデアを自由に出していく方法です。 このフレームワークでは以下の4つのルールを厳守することが重要になります。
- 出てきた意見を批判しない
- 思いつくまま自由奔放に書き出す
- 質ではなく量にこだわりたくさん出す
- 出てきた意見から連想して意見を増やす
何もないところから急にアイデアを絞り出すのは難しいので、現在の市場環境などからテーマを決めてそこからアイデアを膨らませていくとやりやすいかと思います。 出せるだけアイデアを出したら、それらを評価・選定をし実行すべきアイデアを絞り込んでいきます。
アイデアの評価・選定
アイデアを出したら次の5つの評価基準でアイデアを評価していきます。
- 新しさ
- 前例があるか
- 差別化
- 他者が真似できないか
- ニーズ
- 顧客のニーズがどれだけ高いか
- 実現性
- 実現にあたってのハードルがどれだけ高いか
- 収益性
- 原価をふまえどれだけの利益率が確保できるか
各項目とも3点満点で採点し合計点を出しましょう。 合計点上位だけ残し、残した中で心からやりたいと思えるアイデアを選びましょう。
最後に
アイデア出しが完了しどんなアイデアを実現するか決まったら、そのアイデアの提案背景を考えていきます。 次回は提案背景について書いていこうと思います。
事業計画書の基本
はじめに
ここ数年スタートアップなど新規事業を立ち上げている方々が多くいらっしゃいます。
私自身も新規事業を立ち上げたいと思っており日々勉強をしている最中です。
そこで事業計画書の作り方について学んだことをここにまとめて行こうと思います。
この記事はカラー版 マンガでわかる 事業計画書のつくり方
を参考にさせて頂いています。
事業計画書を作る目的
事業計画書を作る目的は大きく以下の2つに分けられます。
競争力強化
- 事業を成功させるための戦略を具体化する作業
- 市場における地震の立ち位置を分析する
- 曖昧だった課題や問題点を明確化
対外的な信用獲得
- 金融機関や取引先・出資者の信頼を得るためのツール
- 具体的な数字を示すことで事業の説得力を増す
- 議場の価値やビジョンを伝えることで協力者を得やすくなる
なお事業計画書は目的などにより名称が変わることがあります。 以下に4つの例を挙げます。
- 事業計画書
- 1~5年程度の短期的な事業計画をまとめたもの
- 経営計画書
- 5~10年以上の躊躇機的な事業計画をまとめたもの
- 経営改善計画書
- リスケジュールや事業再生のプランをまとめたもの
- ビジネスプラン
- 新事業展開や創業のプランをまとめたもの
事業計画書をしっかりと作成しておけば実行するときのバイブルにすることができます。 主に以下のような場面で役に立つでしょう。
- 自分のアイディアで事業を始めたい(対自分)
- 社内の意思統一を図りたい(対従業員)
- 他者に事業の紹介をしたい(対取引先)
- 融資の申し込みをしたい(対金融機関)
- 出資金を集めたい(対出資者)
- 補助金・助成金を得たい(対自治体)
一つのサクセスストーリーを作ることが重要
事業計画書では、その事業が実現し成功するという根拠を具体的に示すことが重要です。 そのためには
- 何のためにやるか(理由・目的)
- 何をどうやるか(手段・方法)
- なぜそうなるのか(根拠)
を徹底的に考える必要があります。
これらを一つのサクセスストーリーとして表現することで、
その事業に大きな価値があること
と成功する可能性が高いこと
を伝えるのが重要です。
よくある失敗パターンとしては以下のようなものがあります。
- 具体性がない
- 表現が抽象的すぎて実行できない
- 裏付けがない
- 目標が具体的だが根拠がない
- 必然性がない
- その事業をする意義がはっきりしていない
- 計画を実行する実行する人の顔が見えない
- 提案者のスキルや思入れがはっきりしない
基本構成
事業計画書の基本構成は以下の通りです。
- 事業の全体像
なぜやるのか、誰に何をどのように事業をやるのか目的など事業の全体像を示します。 主に提案者のプロフィール・提案の背景・事業コンセプト・事業理念・ビジョン などを記載する。
- 事業内容
誰に対してどんなサービスを提供するのかどんなニーズがありどんな競合がいるのかなどを具体的に示します。 主に顧客ターゲット・商品・サービスの内容 などを記載する。
- 事業戦略
どのようなアプローチで顧客にサービスを届け、どのような仕組みで利益を生み出すか示します。 主にビジネスモデル・販売戦略 などを記載する。
- 収支計画
どのくらいの利益が出るか新規事業にはどれだけ資金が必要かまた借入金をどのように返済していくかなどを示します。 主に 損益計算書・キャッシュフロー表・資金計画・返済計画 などを記載する。
- 事業体制&行動計画
上記の4項目で考えたことをどのような体制で新規事業を進めていくかを具体的に示します。 主に 業務プロセス・組織体制・人員計画・リスク対策・行動計画 などを記載します。
事業計画書作りのプロセス
事業計画書は次のようなプロセスで作成していきます。
- 事業のアイデアを出す
- 事業全体の枠組みを決める
- 商品・サービスを具体化する
- 事業戦略を立てる
- 収支計画を立てる
- 事業体制を決める
- 行動計画を立てる
1・2でSWOT分析やPEST分析などを用いて現状分析を行いつつ、 事業化するもアイデアを絞り込んでいきます。 3・4・5の段階では、マーケティング調査調査で市場のニーズや競合の分析を行いながら、 事業戦略を具体的に立てていきます。 戦略を組み立てたら、6・7でその戦略をどのように実行していくかを考えていきます。
最後に
今回は事業計画書の基本について記載しました。
この記事はカラー版 マンガでわかる 事業計画書のつくり方を参考にさせて頂いています。
次回はアイデア・コンセプトの考え方
をまとめていこうと思います。