組織体制
はじめに
前回の収支計画の作り方に引き続き、今回は組織体制についてまとめていきます。
この記事は カラー版 マンガでわかる 事業計画書のつくり方
を参考にさせて頂いています。
組織体制
組織体制は次のステップで検討していきます。
- 業務プロセス
- 組織体制をつくる
- 人員計画をたてる
業務プロセス
業務プロセスを具体化していくにあたって、まずバリューチェーンを考えていきます。 顧客に対して商品・サービスの価値を届ける仕組み(流れ)を表します。 基本的な形としては以下のようなのがあります。
企画 -> 調達・製造 -> 出荷 -> 広告・販売 -> アフターケア
バリューチェーンは事業によって異なってくるので、事業に合わせたバリューチェーンを考えましょう。
バリューチェーンをもとに実行レベルまで詳細化して業務プロセスを具体化していきます。 例えば、製造に関して具体例をあげると以下のような業務プロセスになります。
原材料調達 -> 原材料管理 -> 製造 -> 梱包・発送 -> 発送業者
業務プロセスでは、発送業者や仕入れ先などの外部の要因も組み込んでいきます。
組織体制をつくる
業務プロセスがある程度定まったら、次はその業務プロセスを実行するための組織体制を検討します。 組織体制としては代表的なものとして以下の2つがあります。
- 機能別モデル
- 営業部、人事部、広報部など機能ごとに部門を分ける
- 事業別モデル
- 事業ごとに組織化し各事業部に必要な要因が配置されている
それぞれのモデルにはメリット・デメリットがあるので事業にあったモデルを考えましましょう。
どちらにせよ、役割分担と意思決定方法を明確にすること
が重要になります。
- 機能別モデル
- メリット
- 部門ごとに役割を明確化できる
- 共通業務を統合できるので効率化しやすい
- 部門代表を配置することで指示系統が明確になる
- デメリット
- 部門間の連携が取りづらい
- 部門の裁量が小さくなりがちでモチベーションダウンにつながる
- メリット
- 事業別モデル
- メリット
- 事業に合わせた運用ができる
- 現場レベルで素早い意思決定ができる
- 現場の裁量が大きくなる
- デメリット
- 事業部で独立性が高くなるため事業間の連携が取りづらい
- 会社全体のビジョンが伝わりづらくなる
- メリット
人員計画
業務プロセスと組織体制が決まったら、必要な人員を洗い出して各部門の業務内容を踏まえて必要な人員を見積もっていきます。 事業拡大に合わせて、人員計画は3~5年の単位で計画をたてます。 各年に必要な人員を洗い出します。 ここでは、コストが大きく違うため正社員とパート・アルバイトを分けて計算するようにしましょう 人権費が計算できたら損益計算書に反省させましょう。
リスク対策
予めリスクを想定して計画を立てておくことが重要です。 主なリスクは以下のとおりです。
- 財産の損失
- 収入の減少
- 賠償責任
- 人的損失
- ビジネス上の損失
これらのリスクに対して以下の手順で対策を検討していきます。
- リスクの洗い出し
- リスクの評価
- リスク対策の立案
リスクのあら出しでは、ブレインストーミングなどでできる限り洗い出していきます。 そして洗い出したリスクを頻度と強度で評価して以下の4つに分類していきます。
- 高頻度で損害大
- 高頻度で損害小
- 低頻度で損害大
- 低頻度で損害小
優先順位の高いものから具体的な対策を検討していきます。 対策としては主に以下の4つの方向性があります。
- 除去
- リスクの予防に重点をおき防ぐことを目指す
- 軽減
- リスク発生の可能性を最大限減らす
- 保有
- リスク発生により経営に影響が出ないように準備しておく
- 移転
- 他社との共同で対策などを取る
これらの方法でリスクに対して事前に対策をねっておくことで、 万が一のリスクにも柔軟に対応することができます。 また、最悪のケースも考慮して撤退ラインも検討しておきましょう。 撤退ラインを設定しておくことで、早く撤退することで少ない損失で済ませることができます。
行動計画をたてる
計画時点から新事業スタート後の運営まで含めてどのように実行していくかを決めます。 行動計画でよく用いられるのがガントチャートです。 ガントチャートでは部門ごとでやるべきことを期日と担当者とともに決めて行く方法です。 ガントチャートを作成することでいつまでに誰が何をすればいいかが明確にすることができます。 また、行動計画でどのタイミングでコストが発生するかを同時に管理しておくとで、それに備えることができます。
PDCAと予実管理
事業スタートしたあとは実施状況と事業計画書の内容を照らし合わせて、ズレが無いことを確認することが重要です。 計画とずれていればその原因を探り、対処法を検討していきます。 このような改善を繰り返すアプローチとしてPDCAサイクルというものがあります。 PDCAサイクルを回すことによって計画と実施状況のズレを修正していくことができるでしょう。 計画の進行具合は数字で確認することが重要なので、予実管理は行いましょう。 計画に基づく予算と実績を比較しながら達成率を確認することができます。 予実管理では、月単位に損益計算書を作成して予算と実績をまとめることで作成していきます。
さいごに
今回は組織体制についてまとめて来ました。 次回は最後の事業計画書のまとめ方について書こうと思います。