商品・サービスの具体化の仕方

はじめに

前回の事業コンセプトに引き続き、商品・サービスの具体化の仕方について書いていこうと思います。 この記事は カラー版 マンガでわかる 事業計画書のつくり方 を参考にさせて頂いています。


「誰」に「何」を提供するのか

事業アイデアを売れる商品・サービスにするには メインターゲット提供する商品・サービスの価値 を明確にすることが重要です。 これらの2点を検討していく上で大切になってくるのが ニーズ競合の分析 です。

メインターゲット

メインターゲットはSTP分析というフレームワークを利用して検討する。 STP分析では、以下の項目について検討していきます。

  • セグメンテーション
    • 消費者を性別・年齢・家族構成・職業・収入・居住地域・趣味趣向などで区分する
  • ターゲティング
    • セグメンテーションした中のどの区分を狙うか決める
  • ポジショニング
    • 競合他社の立ち位置を考え自分たちの強みを活かせる立ち位置を考える
    • ポジショニングマップを利用して検討する

提供するサービスについて考える

サービスを通してどんな価値を提供するかは、次の2段階で考えます。

  • どんな価値を提供するか
  • その価値を提供できる根拠

顧客が求める価値は大きく分けて3つあります。

  • 機能的価値
    • そのサービスの機能や品質
  • 経済的価値
    • そのサービスで得られる経済的効果(コストダウンなど)
  • 心理的価値
    • そのサービスで得られる満足感や充実感

ターゲットがどのような価値を求めているか考えましょう。 ターゲットが求める価値とサービスが提供する価値を連動させることで、提供するサービスの魅力がより高まります。

価値を提供できる根拠は、自分が持っている人・物・金・情報といった経営資源を洗い出すことで明らかにしていきます。 例えば以下のようなものです。

    • 経営者・従業員のスキル・経験知識など
    • 設備・システム・原材料の供給など
  • 情報
    • 社会や業界に関する情報網や蓄積されたノウハウ

経営資源を洗い出し価値を提供できる根拠を提示しましょう。 そして、洗い出してみて不足している部分がある場合には不足分を補うプランまで検討します。

ニーズ

ニーズには2種類のニーズがあります。

  • 顕在的なニーズ
    • 流行や評判などからすでにニーズがあるとわかっているもの
  • 潜在的なニーズ
    • 顧客自体がまだ必要だと気づいてないもの

それぞれのニーズを探る方法の例として2つ挙げます。

  • 統計データの分析(顕在的なニーズ)
  • カスタマージャーニーよる分析(潜在的なニーズ)

統計データの分析(顕在的なニーズ)

顕在的なニーズを分析するための方法として公表されているデータを分析することで探ります。 以下のような組織・団体が、それぞれで調査を行って統計データや調査報告書を公開しています。

公開されている資料を調べて分析していきます。 ただしこうしたデータは、広い視野で調査されています。 そのため地域を限定したデータが欲しい場合には、現地で調べるかフェルミ推定を用いた分析が必要になります。

カスタマージャーニーよる分析(潜在的なニーズ)

潜在的なニーズはデータやヒアリングからはわかりません。 潜在的なニーズを見つけるにはカスタマージャーニーという手法を利用します。 カスタマージャーニーでは顧客が消費活動を思いついてから終えるまでのプロセスを考えます。 消費プロセスを考えることで、その時々でどんなサービスがあればより満足できたか検討します。

競合分析

競合の種類には大きく2つあります。

  • 同じカテゴリーにいる競合
  • ゲームであればゲーム事業を展開している事業者が対象となる
  • 同じ価値を提供する競合
    • 業界・業種が違っていても同じ価値を提供している事業者が対象となる

競合を分析する手順としては次のとおりとなります。

  • 自分と競合他社を4つに分類
  • 2〜3社に選び4Pを使って比較

自分と競合他社を4つに分類

競合他社を分析する際には以下の4つの区分に分類して検討します。

  • リーダー
    • 最大のシェアをもつ業界最大手
  • フォロワー
    • 2〜3番手に位置しリーダーを狙う存在
  • チャレンジャー
    • 競合に追随し一定のシェアを保つ存在
  • ニッチャー
    • 競合が素通りしているニッチな市場を狙う存在

リーダーフォロワーチャレンジャーは売上高やシェア率・ラインナップなどから分析することで判断できます。 ニッチャーはオリジナリティの高い商品を持つ競合が当てはまります。  新規参入した市場では、まずはフォロワーやニッチャーを目指して行くことになります。

2〜3社に選び4Pを使って比較

競合他社を4つに分類したら、その中から2〜3社に選び4Pを使って比較していきます。 4Pとは以下の4つのことを指します。

  • 商品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • 宣伝(Promotion)

これら4Pを比較して自社の優位性や差別化ポイントを明確にしていきます。 自分の優位な点や不利な点を踏まえて、商品開発や販売戦略の検討に役立てます。

さいごに

今回は商品・サービスの具体化の仕方について記載しました。 次回はビジネスモデルとマーケティングについて書こうと思います。